朝海陽子

touch

2021 12.4 - 2022 1.16

開廊時間: 火~金|13:00-19:00 / 土・日|12:00-18:00
休廊: 月、年末年始(12/27~1/5)
※ 本展ではオープニングレセプションは行いません。
※ 今後の状況により、営業時間の変更や、やむを得ず休廊となる場合があります。最新情報は随時ウェブサイトでご案内します。ご来場前に必ずご確認ください。

無人島プロダクションでは、朝海陽子展「touch」を開催いたします。
朝海の個展は無人島プロダクションでは約6年ぶりとなります。

2020年世界中で新型コロナウイルスの感染拡大が起こり、日本も感染対策として社会的距離や三密を避けるなど、様々な境界が引かれました。
2016年から「モビリティ(移動性、流動性)」をテーマとした写真作品を撮り続けている朝海にとって、この移動制限は視線の転換点のひとつとなりました。これまでのありふれた日常が「非日常」となり、新たに出現した移動のない「日常」の出来事に目を向けるようになったのです。

本展は、ステイホームの中で朝海が見ていた日常の景色を題材とした新作映像作品《Bubble》を起点に、コロナ禍に制作された新作の写真シリーズ《ヒグラシ》と、コロナ禍以前に撮影された写真シリーズ《Meals》を配し、時間や空間の境界をまたぐように構成されます。

《ヒグラシ》は朝海の自宅近くの河川敷に毎夜花火をするために集まる人たちを観察し記録した写真です。花火は日本の夏の風物詩であると同時に、鎮魂や疫病退散を目的として打ち上げられてきたという歴史があります。コロナ禍での新たな生活様式の中で、行き場を制限された人々がマスクをした姿で花火に興じる姿は、人々のつどいや繋がりをより強く意識させ、まるで儀式を行っているかのようにも、また失われた日常を取り戻そうとするかのようにも見えます。

《Meals》は、食事の時間をテーマに、2018年に人々の夕食後の風景を記録したものです。気軽に他人の家に訪問することが困難となった現在、その人たちのおかれている環境や背景、関係性だけでなく、否応なしに増してゆく「ホーム」の存在をも映し出すこととなったのではないでしょうか。

非日常が日常へと変換されてゆくなか、いま現在もソーシャルディスタンスの渦中にいる私たちにとっての「touch」とは。
ぜひ会場でご覧ください。

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