裸島
裸島
経ヶ島
経ヶ島
材木島
材木島
五大堂
五大堂
千貫島
千貫島
地蔵島
地蔵島
布袋島
布袋島
鎧島
鎧島
やすみ島
やすみ島
仁王島
仁王島
蓬莱島
蓬莱島
双子島
双子島
小町島
小町島
兜島
兜島
桂島
桂島
馬放島
馬放島
ニュー松島 (2022)
アルミにドローイング(アルミプレート、水性顔料ペン、油性ラッカー)、アルミフレーム
55×73×2.7㎝

『ニュー松島』とは私が松島観光をした際に乗船した遊覧船の船会社の名前です。船に乗って初めて見た松島は、幾星霜にわたり波と潮風に晒されエッジが甘くなり、私が訪れる前に鑑賞していた100年前の写真絵葉書よりも精彩に欠ける印象でした。 本作はこのような経年による風景の変化を否定せず、無常とは即ち『新しい』と肯定する試みです。
参考にしたのは、古絵葉書と海浜風景の完成系を見せる古伊万里の皿絵です。長年に渡り量産された器の絵付けは、職人の素早い筆運びによってどんどん簡略化していったと思われ、もはや暗号のようですが、細部が削ぎ落とされたぶん却って原始的な宇宙観のような理想の風景のように見えます。
お皿に描かれた山水画の変化は退化ではなく、寧ろ未来的でシャープな表現です。このような意匠に333年前に芭蕉が見たであろうエッジの効いていた時代の松島と、これからも変化し続ける松島の姿を重ね、未来の牧歌的風景を恒久性のあるアルミ板に描きました。