朝海陽子

contact

2024 6.1 - 2024 7.7

会期:2024年6月1日(土)~7月7日(日)
開廊:水-金 13:00~19:00 / 土・日 12:00~18:00
休廊:月・火
オープニングレセプション:6月1日(土)17:00~19:00

【スペシャルスクリーニング イベント】
日時:6月22日(土) 18:30 – 19:30
参加費:500円(お土産付き)

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無人島プロダクションではこのたび、朝海陽子展「contact」を開催いたします。

本展は、2021 – 2022年冬に年をまたいで開催された個展「touch」から連なる展覧会です。コロナ禍のまっただ中、移動や行動が制限された緊急事態宣言期間中に制作された作品群を中心とした前回の個展から2年、さらに撮影を重ねた新作の映像作品《Distance》を発表いたします。

コロナ禍では、「人との距離」が感染対策の一環として重要な課題でした。人との接触を最小限に抑えるために、マスク着用や三密の回避、ソーシャルディスタンスの確保が求められ、これにより日常生活は急激な変化を余儀なくされました。

こうした社会的制約は、さまざまなイベントや行事にも影響を与えました。全国の花火大会も次々と中止に追い込まれましたが、過密を避けるために開催日時や場所を非公開にした「サプライズ花火大会」や、個人で手軽に楽しめる「手持ち花火」が再び人気を集めるなど、花火は開催形式や鑑賞スタイルを変えて、夏の風物詩としての人気を保ち続けました。

今回展示する《Distance》は前作《Bubble》(2021)の続編として位置付けられます。

この2つの作品は社会的制約の副産物として現れた「コロナ禍の花火」を基点とし、それぞれ異なる視点から捉えた映像作品です。《Bubble》は緊急事態宣言下、人気のない街や窓から見える景色、夜な夜な人々が公園に集まりマスクをつけて距離を保ちながら花火に興じる姿をとらえた光景が多くの鑑賞者に強い印象を与えました。新作《Distance》では自粛期間から花火大会再開までの過程で変化した人と人の距離感と花火を鑑賞する群衆の姿が記録されています。

コロナ禍に提唱された「新しい日常」で、人々は物理的な距離を保つ必要性を強く感じる一方で、同時に精神的なつながりを求めるという、通常とは逆転した状況が生まれました。前回の個展タイトル「touch」は、緊急事態宣言下で日常の手触りが希薄になった状況に対しつけられたタイトルでしたが、本展のタイトル「contact」は物理的接触と精神的なつながりに焦点を当てています。

コロナが5類に移行して1年が経った「元のような日常」で、自分たちのいる世界との距離感が以前と変わったのか、それとも変わっていないのか。朝海の映像を通してDistance(距離)ーすでに過去のものとして捉えつつあるコロナ禍と現在の状況ー を再確認していただきたいと思います。

会期中の6月22日には特別スクリーニングイベントとして《Bubble》と《Distance》の連続上映を行います。

享保18年(1733年)に前年の飢饉と疫病によって亡くなった人々の慰霊と疫病退散を願って徳川吉宗によって打ち上げられた花火が現在の花火大会の始まりといわれています。
今年は7月27日(土)に開催予定の「隅田川花火大会」をはじめ、全国各地で開催が予定されている花火大会の前にぜひ本展をご覧いただきたいと思います。