セメントセメタリー (2020)
和紙に固形墨、パネル
各45 x 65 cm

フロッタージュ(乾拓)の技法で、和紙に固形墨(釣鐘墨)で武甲山の姿を浮かび上がらせた作品。9点の最初の画には、石灰石が採掘される以前の、ドッシリと豊かな武甲山の山
影が写っている。近代産業が興隆した大正時代から採掘工事が始まり、少しずつ山が削られていったが、 1964 年東京オリンピックを境にインフラ整備に不可欠なセメントの爆発的な需要拡大で、効率よく段々に削られ、あっという間にピラミッドのような山体に変わってしまった。(現在の状態は6番目の画に近い)
今現在も休むことなく武甲山の掘削と石灰石の出荷は続いている。ゆくゆくは冗談でなく、本物のティオティワカン遺跡のような巨大な墓になるのではなかろうか?その予想図が最終形態の9番の画である。墓となった山の後ろに亡霊のように見えるのは、削り出された石灰石の量だけ比例して増えるビルの形をした墓標の影だ。