臼井良平

路上の静物

2022 10.29 - 2022 11.20

開廊日:水 – 金:13:00-19:00  土・日:12:00-18:00
休廊日:月・火・祝日
※ 本展ではオープニングレセプションは行いません。
※ 今後の状況により、営業時間の変更や、やむを得ず休廊となる場合があります。最新情報は随時ウェブサイトでご案内します。ご来場前に必ずご確認ください。

※ART WEEK TOKYO期間中は営業日・時間が変わります。
ART WEEK TOKYO
2022年11月3日〜6日
10:00-18:00

このたび無人島プロダクションでは臼井良平展「路上の静物」を開催いたします。

本展は、タイトル「路上の静物」の通り、長年臼井が興味を持ち続け、制作のインスピレーションの源となっている街中の風景の中に見出される静物画のようなコンポジションを切り取ってギャラリーの空間に再構築するものです。

臼井は街中に残されたペットボトル飲料などの容器から人の気配を感じとり、ある種の「現代の肖像」として写真作品シリーズ「Forgotten Liquid」を2009年に発表しました。東日本大震災以後の2011年からはそれらの容器をガラスで再現したシリーズ「PET (Portrait of Encountered Things)」 を制作し続けています。臼井の作品モチーフである大量生産され日々消費されているペットボトルをはじめとするプラスチック容器は時代や環境によって鑑賞者に異なった印象を与えます。

前回の無人島プロダクションでの個展「Solid, State, Survivor」では、川の水とともに流されていくさまざまなタイプのプラスチック容器が漂着した様をギャラリーに出現させました。川から海までの流れを表現したインスタレーションは河川や海のプラスチック汚染といった環境問題を連想させ、また携帯用サニタイザーやハンドソープの容器はコロナ禍でのウイルス感染予防対策に汲々とした私たちにはあまりにも身近でそして象徴的であると言えます。それらは時代とともに変化しつつある私たちの新たなセルフポートレートであるかのようです。

この展覧会の主題である臼井が街中で見かけたどこか心に引っかかる風景は、ある時は美しく、またある時はとぼけたような風情で再現されます。本展では、そのような普段見過ごしてしまいそうな情景を掬い上げて見せる臼井のユニークな視点による路上観察と、ガラスや異素材による手仕事の組み合わせの妙をご覧いただければと思います。