PAVILION -白い巨象(もんじゅ)館 (2020)
木版画 (パネル、和紙、油性インク)
91.5 x 145 cm

平成博2010別館『白い巨象(もんじゅ)館』は福井県敦賀半島に建造された「高速増殖炉もんじゅ」をテーマにしたパビリオンです。白い巨象=ホワイトエレファントとは、神聖な動物である白い象は乗り物にしたり労働させることができず、ただ餌代だけがかかる〈無用の長物〉を意味しています。初臨界から22年の間トラブルが多発し、たったの250日しか稼働しなかったのに、一日の維持費は5000万円以上だったそうです。核燃料サイクル計画は頓挫し、廃炉にかかる費用は3750億円とあまりにも巨額で、浜辺に空虚に佇む白い増殖炉は、まさに白い巨象、無用の長物の姿そのものです。