マッド・エリイ (2006-)
計6人からなるChim↑Pom。5人の男性メンバーは日常的に破天荒なエリイに責められ、常に本質を突きつけられる。どんなに理論武装しても、「裸にされる」という感覚だ。結成以来、Chim↑Pomはそんなエリイに「酔う」ことで、さまざまなプロジェクトを制作してきた。美術史上のどんなミューズとも、フェミニズムやポップカルチャーのアイコンなどとも似て「非なる」エリイの捉えきれなさ。それをどうビジュアル化するかというアイデア会議から生まれた作品群が、このシリーズ。メンバーが「裸にされる」ように、エリイの存在を通じてアートは社会を裸にできる。じつは、その漠然とした手応えこそがChim↑Pom結成の理由であり、《ERIGERO》からそのキャリアが始まった。もちろん、エリイ自身のライフワークでもある。