八木良太、マルト・アルディ
Behind itself
2025 9.27 - 2025 11.9
会期:2025年9月27日(土)-11月9日(日)
開廊:水・木・金 13:00-19:00 / 土・日 12:00-18:00
休廊:月・火・祝
オープニングレセプション:9月27日(土)18:00-20:00
無人島プロダクションはこのたび八木良太とインドネシアのコンセプチュアルアーティスト、マルト・アルディによる二人展を開催します。
「見る」「聴く」といった我々の制限的な知覚システムあるいは態度に対する批判的思考をベースに作品制作を行う八木良太は、これまでも既製品を用いて作品を構成し、その現れによって人間の知覚やそれを利用した工学的システムを浮かび上がらせるような作品を発表してきました。
マルト・アルディは、既製品とアッサンブラージュを駆使し、実用性と機能の存在論的本質に迫る複雑な語彙を構築します。大量生産されるものの美学に関心をもち、それを人がどのように相互作用し知覚するか、また、人間の行動がどのように周囲の物のデザインを定義する役割を果たすのか。これらの物がどのように私たちの日常意識に浸透していくのかを作品を通して探究してきました。
両作家の作品には、身近な道具や既製品を素材とし、それらの用途や意味を再構築することで、既成概念や決められた用途に対する新しい視線を提案する、という表現の共通項があります。
2024年春に開催された日本のギャラリーと海外のギャラリーを繋ぐイベント「温泉大作戦 The Final!!」にて無人島プロダクションはジャカルタのギャラリー、ROHをゲストに迎え、八木とアルディは初めて同じ空間で作品を展示しました。
そのときに八木とアルディの作品から生まれる化学反応に興味を惹かれ、無人島プロダクションとROHは二人の展覧会を東京(無人島プロダクション)、京都(Art Collaboration Kyoto 2025)、ジャカルタ(ROH、2026年開催予定)の3箇所で展開することとなりました。
本展はその第一弾となります。
「世の中のものには全て、意味がベッタリと強く張り付いていて、それを剥がすことから制作が始まっているように思う。いろんなラベルによって、覆い隠されているものの本質を見つけると、さまざまな可能性が生まれてくる。そのものを下支えしている前提は何か?子供のような目を持って観察することは、流されずに立ち止まる唯一の手段である。」八木良太
「既製品というアイデアを、自作の要素や素材への、より直接的な関わりを通して再解釈している。写真もまた、このプロセスにおいて重要な役割を果たしており、イメージの源泉であると同時に、作品全体をつなぐ手段となっている。
模型制作によく用いられる軽量の木材であるバルサ材は、当初は技術的な解決策として使用していたが、やがて他の作品を生み出す推進力となった。RC模型飛行機の製作や製本の技法を応用しながら、論理、ユーモア、因果関係の探究を続けている。鑑賞者には、道具や素材、そしてそこから生まれる成果との対話を、それぞれの方法で読み解いていただければと思う。」マルト・アルディ
時間や重力といった目に見えない存在や、日常に埋もれがちな些細な現象にも目を向け、純粋な好奇心と遊び心をもってアートへと昇華させている八木とアルディ。
展覧会では、立体、平面、映像など多様な表現を通して、二人の思考や視点の交差を体感していただきたいと思います。
Maruto Ardi(マルト・アルディ)
1992年、インドネシア・バンドン生まれ、インドネシア・バンドン在住
レディメイド(既製品)やアッサンブラージュ(寄せ集め)を用いて、機能と有用性の本質を探る複雑な語彙を構築するコンセプチュアルアーティスト。彼は大量生産品の美学や、それらと人間の関わり・認識の関係に関心を持ち、人の行動とモノのデザインの相互作用についても考察している。
https://rohprojects.net/artists/maruto-ardi