




未来派の"うなりをあげる自動車は、サモトラケのニケよりも美
しい"という言葉は、今の時代に僕の眼にどう映るか。
新幹線の互いにすれ違う瞬間、600km/hの一瞬は止まって見えた。
~レコードの製氷皿~
音という存在は、物質と非物質の境を漂っている。
音を溝というコードにしたレコードは極めて彫刻的/物質的であるが、一転、発せられた音は波であり、そこに掴める物質感は消失する。
氷もまた溶けて水になり、蒸発し、空中を漂う。溶けて音がなくなるということは、即ち音の昇華であり、消費である。
再生される音と、溶けていく氷の関係は、2-1=1のような質量保存とでもいうべき安定だ。
デジタルメディアという再利用可能な媒体とは違い、そこには有限の儚さがある。
水を注ぎ凍らせることで、氷のレコードを作ることが出来ます。
氷や石膏、白磁などでも溝を型取ることが出来れば原盤の音楽は再生されます。
~雨音が聞こえる屋根の無い傘~
MP3プレーヤーが傘の柄に内蔵されており、あらかじめ録音された雨音が柄からヘッドフォンを通じて再生されます。
~記号の星空~
星の王子さまのテクストから、ピリオドやカンマなど、点の記号、文字の点だけを取り出したシルクスクリーン作品。
昼間は外光で文字が認識できますが、夜になると白い点のみが残されます。
文字の一部分であった点は意味を失い、星空のように眼前に現れます。
未来派の"うなりをあげる自動車は、サモトラケのニケよりも美
しい"という言葉は、今の時代に僕の眼にどう映るか。
新幹線の互いにすれ違う瞬間、600km/hの一瞬は止まって見えた。