本展開催までの経緯

すべては2008年秋、Chim↑Pomが作品制作のため広島の原爆ドーム上空に飛行機雲で「ピカッ」と書いたことからはじまりました。 この行為は、多くのメディアで報じられるとともに、ネット上ではバッシングが起こり、被爆者団体代表を前にChim↑Pomが謝罪会見を行なうまでの社会的騒動となりました。予定されていた広島市現代美術館での個展も「自粛」というかたちで中止となり、Chim↑Pomは、作品として発表する機会を奪われたことで、その意図を伝えるべき手段をいったんは失いました。

東京に戻ったChim↑Pomは、一連の騒動を検証した本『なぜ広島の空をピカッとさせてはいけないのか』の制作に着手します。そして、その書籍のための原稿執筆と座談会参加の依頼のとき、初めて美術評論家の故・針生一郎氏に会うことができました。座談会後に、原爆の図丸木美術館の館長でもあった針生氏がふともらした「(どこでもできないなら)うちでもいいよ」という言葉。それは約束というにはとても不確かではありましたが、その当時騒動の真っ只中にいたChim↑Pomにとって、それはとても重く深く、なによりもありがたい言葉であり、その言葉と差し出された手をはげみにChim↑Pomは活動をつづけてきました。それからのChim↑Pomの不屈の活動は、あのとき、たしかに針生氏が騒動の渦中にいる彼らに新しい「意志と意味」を伝えてくれたからではないでしょうか。針生氏が伝えてくれた思いが支えになっていたことはたしかです。

書籍『なぜ広島の空をピカッとさせてはいけないのか』は2009年3月に刊行。それにあわせるかたちで行った2009年3月に東京・Vacantの「広島!」を皮切りに、同年NADiffにて「広島!!」、2010年韓国のSOMA Museumで開催された「Asia Art Aawrd」で「広島!!!」、と「!」を増やしながら「広島」展を展開してきました。今でこそ地道ながらもライフワークのように展示ができるようになりましたが、展示が決まるたびにChim↑Pomはあのときの針生氏の「うちでもいいよ」を思い出してきました。

そしていよいよ、約3年の時を経て、この「広島」展は丸木美術館に巡回することになったのです。

2010年5月、針生氏の逝去後、Chim↑Pomは丸木美術館を改めて訪問し、針生氏が存命中に美術館の理事会にたしかにそのように言い遺してくださっていたことを知りました。残念ながら針生氏存命中にはかなわなかった本展は、その場で学芸員の岡村氏と展覧会をやる、という方向で話が決まり、今年3月11日の東日本大震災をはさみ、理事会での説明など、何度も美術館側との話を重ねながら実現にいたりました。


Chim↑Pom / 広島の空をピカッとさせる

本展について

本展は、Chim↑Pomがヒロシマからフクシマ、核や放射能と日本の関係をテーマに制作してきた活動を一堂に見せる初の機会であり、彼らの活動の集大成となります。2008年10月の「ピカッ」騒動から2011年5月の「明日の神話」事件など社会的騒動となった作品を、点ではなく線として鑑賞いただくことで、Chim↑Pomが真に伝えたかったこと、彼らのエネルギーがきっとみなさまに伝わると考えます。

今回は2009年発表の「ヒロシマの空をピカッとさせる」「リアル千羽鶴」から今年5月と9月の個展で発表した「震災」「原発」「サバイバル」がテーマの作品群を中心に構成します。中でも必見は、新作映像「BACK TO THE FUTURE」と、デパートで拾い集めた森羅万象のモチーフを一発の『平和の火』で焼きあげる「平和の日(仮題)」は、丸木美術館との奇跡的なコラボレーション作品です。過去と今と未来にこだわり続けてきたChim↑Pomの力作であり、原爆の凶悪さと現在の日本の姿を一度に表現したこのシリーズは今後彼らの代表作のひとつになるでしょう。

なお、初日の12月10日には、オープニングイベントとして、音楽プロデューサーの小林武史氏とChim↑Pom、異色の2組による初のコラボレーション、即興パフォーマンスを行います。またとない機会を、是非目撃していただきたいと思います。

また会期最終日の12月18日には二部構成でのトークショーを予定しています。イベントに出演・登壇される方々はいずれもヒロシマ、フクシマに対してアクションを起こされている方たちであり、Chim↑Pomはその方々と、悲劇的な放射能事故が起きたこの2011年最後の月に、今年を(歴史的に)ともに振り返り、そして来年への礎にしようと考えています。 ※イベント詳細は下記をご覧ください。

Chim↑Pomによる展覧会、ヒロシマやフクシマに関わってきこられた方々によるイベントに加え、なにより、日本を代表する原爆芸術「原爆の図」の本作を美術館の常設でまとめて体感できる、またとない機会です。

予期できなかった震災、起きてしまった原発事故、このふたつが日本だけではなく世界に与えた影響ははかりしれません。そしていまだ復興も事故の終息もみえない中で、無情にも「時」は刻々と私たちに平等にふりかかっています。時間を昔に戻すことも進めることもできませんが、今こそあらためて私たちの考える(考えてきた)「平和」がどこからきたのか、「今」ははたして「平和」といえるのか、未曾有の大震災と原発事故を抱えた2011年は後世どのように語られるのか、過去から現在までの流れを検証しつつ、いったい「何」を未来にリレーするか・できるのかを考える機会を本展で作れたらと考えます。是非本展をご紹介いただきたくどうぞよろしくお願いいたします。


丸木位里・丸木俊 / 原爆の図 第2部 《火》

オープニングイベント

小林武史×Chim↑Pom「LoVe 7」

日時:12/10(土)17時開場、21時閉館
   ライブパーフォマンスは18時半〜20時半の間で行われる予定です。
料金:1,000円(展覧会入場料)

「原爆の図やチンポムの作品と一緒の空間で小林さんがピアノを弾いてる姿は超必見!!お互いが常に社会や地球に目を向けてきた存在だからこそ、このコラボは最強のハーモニーを奏でるでしょう!私自身、その光景を想像するだけでよだれがでそう!10日は一緒に時代の目撃者になろうね!! ーーーエリイ」

※当日は外で「平和の火」を燃やす予定です。分火をご希望の方は線香をご持参ください。
※今回は美術館というロケーションのなかで、Chim↑Pomとのコラボレーションによるアプローチとなります。必ずしも、きちんとした条件でライブをご覧になれるという訳ではございません。予め御了承ください。

★特別飲食出店が決まりました!
10日当日は15時から21時まで、美術館手前の古民家のスペースを利用して、特別に飲食出店いたします。
メニューは、大江戸深川めし(600円)、豚汁(400円)、甘酒(300円)、ホットドリンク各種(200円)などをご用意しております。できるだけ埼玉産の食材を使って提供する予定です。ぜひ早めにお越しいただき、お楽しみください。(特別協力出店者:「しろねこ」)
※都合により、当日メニュー内容を変更する場合があります。

小林武史(こばやし たけし)
音楽プロデューサー、キーボーディスト。Mr.Childrenをはじめ、数多くのアーティストのレコーディング、プロデュースを手がける。映画「スワロウテイル」、「リリイ・シュシュのすべて」等、映画音楽も多数手がける。2010年の映画「BANDAGE(バンデイジ)」では、音楽のみならず、監督も務めた。
2003年、Mr.Chilrenの櫻井和寿、音楽家・坂本龍一氏と「ap bank」を立ち上げる。環境プロジェクトに対する融資のほか、毎年静岡県のつま恋にて野外音楽フェス「ap bank fes」を行っている。また、2006年には環境と消費を考える場として、レストラン、カフェを含む「kurkku(クルック)」を立ち上げた。今月、代々木駅徒歩1分の立地に、複合商業施設「代々木VILLAGE by kurkku」がオープンしたばかり。

最終日トークショー

【第一部】
出演:山下陽光(素人の乱)
Chim↑Pom
水野俊紀(東京電力)
※この展覧会は水野俊紀が福島第一原発で働いたバイト代で成立しています。

3.11以降の原発問題に対して、象徴的なアクションを起こした当事者たちによる座談会。あれから何が変わり、これからどうなるのか? 今年を振り返りながら未来を語り合います。

【第二部】
出演:東琢磨(ライター。音楽・文化批評/ヒロシマ平和映画祭実行委員会事務局長。)
山下裕二(美術史家、美術評論家、明治学院大学教授)
司会:阿部謙一(編集者。「なぜ広島の空をピカッとさせてはいけないのか」編集者)
聞き手:Chim↑Pom
広島出身の文化系評論家2人による対談。広島の感情、これまでと今後、広島における文化の話などを通じ、今後の日本の被爆問題への展望を考える。

日時:12/18(日)
第一部:午後14:00~15:30
第二部:午後16:00~17:30
料金:900円(展覧会入場料でご覧いただけます)

展覧会概要

展覧会名:Chim↑Pom展「LEVEL 7 feat. 広島!!!!」
会期:2011年12月10日(土)~12月18日(日)
会場:原爆の図 丸木美術館
   〒355-0076 埼玉県東松山市下唐子1401
   ※館内は寒いので温かい服装でお越しください。
開館時間:午前9時半~午後4時半
     ※12/10のみ午後5時〜午後9時開館、Chim↑Pom展は午後5時開場
休館日:毎週月曜日
入館料・交通案内: 下記サイトをご参照ください
http://www.aya.or.jp/~marukimsn/top/riyo.htm

★ご来場について
・電車でお越しの場合
最寄り駅:東武鉄道「森林公園」駅

◎12月18日限定運行:未来へ号バス運行決定!!!!(ドライバー:遠藤一郎)
森林公園駅南口ロータリーでお待ち下さい。
12時から第1部が始まる14時まで30分間隔で、森林公園駅より丸木美術館直行運行。
森林公園駅~丸木美術館を往復ピストン運行致します(片道約15分)。ご来場いただく時間帯によっては、バスの混雑が予想されますので、その際は駅前のタクシーをご利用ください。
※未来へ号バスはカンパ制です。ご協力お願い致します。
※美術館閉館後も、森林公園駅まで運行致します(最終運行時刻は、当日会場にてご確認下さい)。

遠藤一郎:未来美術家。震災後は未来へ号でいち早く現地に赴き、ボランティアとして、またイベントを交えた炊き出しを実施するなど復興活動を積極的に行う。
GO FOR FUTURE

※終了しました◎12月10日限定運行:15時30分から30分間隔で、森林公園駅より丸木美術館直行の臨時バスを手配しております。
28人乗りのバス1台が、森林公園駅~丸木美術館を往復ピストン運行致します(片道約15分)。ご来場いただく時間帯によっては、バスの混雑が予想されますので、その際は駅前のタクシーをご利用ください。※美術館閉館後も、しばらくの間は森林公園駅行きのバスを運行致します(最終運行時刻は、当日会場にてご確認下さい)。


・最寄り駅より徒歩でお越しの場合
最寄り駅:東武鉄道「つきのわ駅」(約30分)

・お車でお越しの場合
会場付近に無料駐車場がございます(約30台)
※無料駐車場です。トラブル等が生じた場合、主催側では一切責任を負いかねます。

協力:原爆の図丸木美術館、OORONG-SHA、山本現代、無人島プロダクション(敬称略・順不同)
協賛:水野俊紀(東京電力)

展示予定作品(Chim↑Pom)

「広島」より
・広島の空をピカッとさせる
・リアル千羽鶴
「REAL TIMES」より
・Never Give Up
・日本犬、牛、猫
・LEVEL 7 feat.「明日の神話」
・REAL TIMES
・without SAY GOOD BYE
・被曝花ハーモニー
・気合い100連発
「SURVIVAL DANCE」より
・Destiny Child
新作
・BACK TO THE FUTURE
・平和の日(仮)
など
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