A Day (2018)
ジークレープリント
55 x 55 cm

中心にあるモチーフは、底辺層の生活者である僕の、ある一日の食事です。袋に入った即席麺というやつです。
日本では、中間層の人が多いといいます。つまり日本では、底辺層の生活も、富裕層の生活も、ほとんどの人が体験することもなく、想像することしかできないわけです。僕は、そのような想像上のフィクションの出来事のような感覚と、僕の持つ貧困生活者のリアリティーを合わせて、作品が作れないかと考えました。それは、人工的なプラスチックのような色味や形に、ほんの少しだけ感情が読み取れるようなものだと僕は思っていて、つまりこの作品 は、少なくとも僕には、他者を想像するだけで他者にはなりきれない状態を表しているように思えるのです。