下町のパラドックス/Abandoned Paradox (2014、2018)

「下町のパラドックス」2014 自動に動き回る掃除ロボットを使った巨大ペインティング。延々と掃除しながらも自らペンキで床を汚し、またその掃除を繰り返す。 無限やカルマ、パラドックスをテーマにしつつ、ダウンタウンでの落書きや浄化運動などをギャラリー内で可視化する。 「Abandoned Paradox」2014/ 2018 2014年にバングラデシュのアジアン・アート・ビエンナーレで発表したシリーズ「下町のパラドックス」から、4年の歳月を経て完成した作品。自走式ロボットクリーナーにより床を清掃するが、ロボットの後尾にペイントとローラーを装着しているために「清浄しているのに汚してしまう」という逆説、かつ完全にコントロールできないロボットツールにより介在する偶然性を孕んだ行為からできた、床ペインティングの「再生」を行ったシリーズ。また、本シリーズは、時間の経過と不測の偶然性、つまり保存環境における温度や湿度などによりエイジングされ、何層にも塗られた地層のようなペイントが、さまざまな表情を獲得し、パフォーマンスから4年経過したいま、唯一無二の画面構成を獲得したユニークな作品。