よんぷんさんじゅうさんびょう (2019)
ビデオ
4分 33秒

「カス」アーティストを自称する松田が、巨匠の作品と勝手にコラボレーションを行う「ハロープロジェクト」第三弾。ジョン・ケージの「4分33秒」を下敷きに、松田が4分33秒の間、無言で顔を使ったパフォーマンスを行っている映像作品。
松田作品に通底する「我他彼此」(仏教用語。自分と他人、あれとこれと、物事が対立して決着しないこと。英語ならSelf/Other/Here/There)がよく表現されている作品とも思えています。

※松田の「ハロープロジェクト」は、既存芸術に対するアイロニカルな制作というよりは、巨匠作品に対して勝手に補足提案するものである。大抵の場合それは、「高尚芸術」と「低俗芸術」の融合を目指しています。つまり、ストイックな精神性を確立しようとした作品に、俗と欲にまみれたアイディアを補足するような実験です。それは、僕の育っ た近郊で例えれば、パチンコ店などの風俗店が一店もない高級住宅地「芦屋市」に、ギャンブル場や売春街など大人の「醜悪」が詰まった「尼崎市」の文化を追加提案するようなものです。

2019年 松田修